愛以上、恋未満。

アイドルに胸張って生きてる人たちを胸張って応援するブログ

憧れのロックバンドと邂逅を果たした盆の宵

ジャニオタのみなさんこんばんは。今日は珍しくバンドのライブレポです。

2015年からずっと憧れてきたバンドのライブにようやく行けましたという話です。1万5000字あります。こんなもん最後まで読むやつ未来の私以外おらんやろ、という気持ちで投稿します。(いつものこと)

 

 

 

 

ELLEGARDENという名前を初めて聞いたのが10年前、MONOEYESを通して細美武士を知り、エルレに会いたいと思い始めたのが8年前。

当時は活動休止真っ只中の上、細美さんが新しくバンドを始めたことによって復活の可能性を信じている人はあまり多くなかったように思う。

それでも9/9には祈りを込めてNo.13を聞いていたし、細美さんのステージでエルレの曲を聞く度に彼らのライブにいつか行った時のことを思い浮かべて泣きそうになったりもした。神社に復活を願いに行ったこともある。

5年前の5/10、そのエルレが、私の特別な神様が、復活した。

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その日の夜は日付が変わるまでTwitterに張り付いて夜通し泣いていた事を昨日のことのように覚えている。

けれど、喜んだのも束の間、倍率が測り知れない宝くじのようなそのライブに行けるはずもなく、抽選も一般も見事に敗れた。(一般無敗のジャニオタになった今なら、一般販売で取れるかもしれないという自信はある。)

 

それからライブが発表されるたびに応募しては外れ、「落選」の2文字を見るたびに心を冷やして5年間過ごしてきた。

 

実を言うと、1度だけELLEGARDENの4人を見たことがある。2年前の福岡のフェス「NUMBER SHOT」に出演が決定して、とにかくありとあらゆる知り合いに頼んでチケットを取った。ELLEGARDENの旗が上がっていくあの瞬間を今でも鮮明に覚えているし、あの日細美さんが言ってくれた言葉も大切に胸の奥にしまっているし、チケットは今もお守りのように財布の中に入れて持ち歩いている。

私の人生の中の、大切な1時間だった。

絶対にワンマンか対バンのライブに行きたい。もっと沢山、エルレの音楽を浴びていたい。そう思った。

 

けれど、今回のライブハウスツアーも例に漏れず落選。

当選している、ましてや何公演も通っている人たちは普段どんな徳を積んで生きているのだろうと不思議に思いながらも、私が「選ばれなかった」という事実を淡々と受け入れて日々をひたすら精一杯生きてきた。

そしてその我慢がようやく昨日実を結んで、私は晴れて初めてのELLEGARDENワンマンの地に足を踏み入れた。

会場は幕張のZOZOマリンスタジアム

私が幼少期から足を運び、家族とも友達とも思い出を重ねてきたこの幕張で伝説のバンドと長年の邂逅を果たすのは、なんだか不思議な感覚だった。

 

キッズの同窓会、エルレワンマン

当日、会場に着くとすでに多くのお客さんで溢れていた。

こんなにも多くのエルレTシャツを見るのはおそらくこれが人生で初めてだと思う。

出発前に声をかけてくれた友達と合流、開場までの間、昔話に花を咲かせた。

コロナ前に会って以来久々に再会する人も多くてなんだか同窓会のような気分になった。

もう会わなくなった人、違う界隈に推しができた人、聞く音楽の系統が変わってしまった人もSNS上で見かけて、勝手に嬉しい気持ちになった。

ELLEGARDENをきっかけにして、もう会えないと思っていた人たちと同じ会場にいられることがもうすでに私にとっては奇跡みたいなことで、改めて彼らの偉大さを思い知った。

 

「利益」の対義語「ELLEGARDEN

ELLEGARDENのチケットは安い。

ライブハウスのチケットが大体相場で4000〜6000円、演出によっては7000円くらいのところもザラにある。

そんな中、彼らのチケットは2900円をキープし続けている*1

流石に今回は6900円と相応のお値段になってホッとしていた。チケ代が高くて安心するというのも変な話だけど、とにかく彼らに還元したかったので、やっと対等になれたと思った。

思ったのに。

会場に入って開演待機をしていると、スタッフから水と塩飴が配られた。

演奏中もタイミングを見計らってはセキュリティスタッフから声がかかり、必要な人に行き届くようにと回されていったペットボトルと塩飴は在庫が切れる気配がなかった。

熱中症になってはいけないからという、主催者サイドの配慮らしい。

会場の外にも無料のウォーターサーバーがあって、誰でも冷たい水が飲めるように配慮されていた。

この熱中症対策を自己責任として観客に任せていたら、もっと利益が上がったはずなのに。自分達に還元できたはずなのに。どうやったって自分の利益を手放したがる観客ファーストなバンドだ。私の好きなエルレ像そのもので、呆れたふりして少し泣いた。

 

セトリ

セトリ順に覚えている限りのことを残しておこうと思う。

いつの日かこの記事を読んだ未来の私が少しでも解像度をあげて今日のことを振り返られるように。エルレと今日の私からのラブレターのつもりで書いておく。

 

・Breathing

1曲目がこの曲だったのはちょっと意外だった。他のライブのセトリを見ても、エルレはちょっとだけ癖のある始め方をすることが多い印象。

押される私、歌い出す人々、笑いかける細美武士…始まった……本当に私のライブが始まったんだ……。

右隣のオニーサンが英語詞も完璧に歌っててびっくり半分ほっこり半分で聞いていた。

きっとこの人もエルレがめちゃくちゃ好きで、エルレのことを考えたら辛いことも乗り越えられて、今日を心待ちにして生きてきたんだろうなと思ったら、なんだか嬉しくなった。オニーサンだけじゃない。この会場には、そういう人が死ぬほどいる。そういう人たちのご褒美の場なんだ。

 

・Space Sonic

一気に後ろからの押しが強くなって、背中越しに会場の熱量を感じた。

私の中でエルレの曲は2種類あって、自分に刺さる曲とただひたすらカッコイイ曲。この曲は後者の代表曲でずっと聞きたかった曲。恐らくだけれど、この曲が発売された当初の演奏と全くブレず、今日も「ただひたすらカッコイイ」を貫いてくれた。

 

・Supernova

ピーク早くね????

すごい、いきなり飛ばすじゃん…ペースもダイバーもめちゃくちゃ飛んでるんですけど…エッ…終わる??もしかしてもう本編終わる??「あと3曲です!」とか言う??それでもいいくらいもうおなかいっぱいですけど、ええ。

 

 

興奮しすぎて冷静で客観的なブロガーから狂喜乱舞のオタク人格にうつり変わってしまった…すまんな……普段こんな感じでやらせてもろてます。

 

それはズルいよ細美さん〜!と言いたげな肉塊が次々転がってきた。普段どんなに可愛くても、どんなに陰キャでもどんなに仕事が出来てもどんなに貧乏でも、“下の奴ら”にしてみたら「肉塊」でしかない。その皮肉な平等さが、実は結構好きだったりする。

開演前の注意VTRの甲斐あってか、今日の肉塊は大人しくて安心した。

次のライブでは絶対私がそっち側(読み方:肉塊)になってやるからな!待ってろよ!!

 

 

・チーズケーキ・ファクトリー

アルバムの中で1番好きな曲。

どうしたらこんな世界観の曲が書けるんだろう、と何度聴いても思う。

独特な世界観ではないものの、浮かんでくる日常であろう光景は絶対に日本のものではなくて、例えこの曲のタイトルが「和菓子屋・たけし」とかでも同じ気持ちになれていたと思う。

 

声出しが出来るようになった世界線で「ティダ・ラ・バダ We get it get it go」を言えて良かった。コーレスでしか味わえない一体感、この気持ちはコロナ禍の拍手や手拍子では絶対に味わえなかったと思う。コロナ禍が落ち着いて、気後れなく声が出せて、幸せだと強く思った。

 

・Mountain Top

エルレが新しいアルバムを出すと聞いた時、嬉しい気持ちと同じくらい、不安な気持ちがあった。

10年のブランクを経て、また同じように「私の好きなエルレ」でいてくれるのか分からなかったから。ELLEGARDENと名のついた全く別物のバンドになってしまうんじゃないかという恐れがあった。

でも、この曲のイントロを初めて聞いた時、全ての雲が吹っ切れた。私の大好きなELLEGARDENは、私の大好きなELLEGARDENのままで更新してくれた。この曲は、そんな特別な曲。

活休前のファンも、私も、復活後にファンになった人も、平等に聞くことの出来る「初めて」だった。

 

・Fire Cracker

どうしてもSpaceSonicとこの曲を頭の中で混同してしまうのだけれど、どっちも「カテゴリ:かっこいい」なので仕方ない。

当然のごとく肉塊曲となった。(ダイバー出る曲のこと肉塊曲って呼ぶのやめれる?)

結構な量の人が降ってきたけれど、涼しい顔をして流した。

私も友人も女の子で小柄なので最前付近にいると無駄に心配されるけど、踏んでる場数が違うので安心してほしい。3人ほどセキュリティスタッフに押し付けたところで周囲からの信頼を勝ち取った……ように感じた。

最前には最前なりの覚悟がいる。開場時間から終演まで立ちっぱなしで耐えるのも、バンドメンバーに全力で楽しんでいる姿を見せるのも、ダイバーの最後の一歩を後押しするのも、最前の立派な役割だ。生半可な気持ちで挑んではいけない。(訳:たのしい)

 

 

・Stereoman

令和に聞けるんだ……。

聞ける、というか、聞かせて貰える、というか、拝聴させていただく、というか……。

セトリ入りするなんて夢にも思わなかった。だってSpace Sonicのカップリングですよ??いつの話してる????

生きておくもんだなぁ…と思った。

活休前から好きだったファンだったら大泣きしながらあの頃の私に語りかけていると思う。

 

・風の日

事件はAメロで起きた。

ELLEGARDENを余すことなく浴びられる幸せを噛み締めながら歌詞を口ずさんでいたら、「僕だっていつもピエロみたいに笑える訳じゃないから」をふと自分と重ねてしまってボロボロに泣いた。泣きながら歌った。「妖怪エモ泣きババア」の完成である。よぉ、久しぶりだな。

エルレの歌詞って本当にすごい。何度も書いてきてるからもういい加減しつこいと思うけど、しつこくても何度でも書きたくなる。

くじけそうになった時どころかくじけてしまった時でさえ、彼らの音楽はそばにいてくれて、寄り添ってくれて。歌詞自体が私のピンチを救ってくれることなんて絶対にないけど、その歌詞を聞いた私が自分で立ち上がることはできる。

音楽はきっとそのために存在しているし、この歌詞がこの世に存在しているという事実そのものが私を救ってくれる。そんな風に思った。

これは私の、私のための歌だって思った。きっとそう思う人が3万5000人集まって今日ができているんだとおもう。

この人たちは本当に偉大なのだ。私は、そう思う。

 

 

・The Autumn Song

いつもやっちゃうんですよ……

導入をアコースティックアレンジで入れるこの曲で「サンタクロースだ…!!」ってなってしまう。今回も友達に「ねえ!サンタクロースなんだけど!やっと聞けた!!」って顔をして5秒後に裏切られた。NUMBER SHOTぶり2回目の愚行である。

もはや恒例にしていきたい。

とは言えこの曲が嫌いっていうことは全くなくて、むしろこの曲にも思い出がある。

大学3年生。私がロックバンドに一番ハマっていて、毎日新しい音楽に囲まれて幸せだったころ、同級生の女の子がMONOEYESのライブを当てた。確か新潟公演だったと思う。バンド好きのイメージがなかったので驚いていたら、この曲をきっかけに細美さんを知ったということだった。

「高校生のときに聞いて衝撃で、いつか細美さんのライブに行くのが夢」と語っていたその子を今でも思い出す。

東京から新潟まで行って、私より一足先に夢を叶えたんだなぁ、あの子は今日来ているんだろうか。来ていたら本当に正真正銘同窓会になっちゃうな…。そんなことを思い出しながら聞いていた。

 

・No.13

私も、あの13番地で待っている一人だった。

9/9に開催されたフェスに細美さんが出る日、その朝にこの曲を聞いた。

聞きすぎて、メロディーが好きすぎて、冒頭の何小節かはそらで歌えるようになった。

聴けば聞くほど虚しくなる経験もした。これは、「旅立ちを見送る曲」だったから。

復活を信じてやまない一方で、どこか。もう絶対に叶わない夢だと悟る自分がいて、その自分がこの曲をよく聞いていた。

「やって来ない人を待つ曲」なんだと解釈していた。

でも、それが解釈違いであることを、今日やっとこの場で実感することができた。

待ち続けていたらやってきてくれる人だっている。ELLEGARDENは、その「前例」になってくれた。

 

・Missing

生活音なんじゃないかと思うほどよく聞いて耳に染み込んでいる、この曲もそんな曲の一つだった。寝ぼけていても一音目で曲名が言えるほど好きな曲、それなのに、なぜかこの日は曲名が全く出て来なかった。

キッズ人生どころか、人生の中でもこんなこと初めてで、軽く衝撃を受けた。まさか記憶がMissingしてしまうとは思わなかった。

当たり前だけど、音の作り方が発売した当初のままで、一瞬、ほんの一瞬だけ2005年のライブハウスの中にいるような気分になった。

頭の中のイメージと憧れと感動がごちゃまぜになってよくわからなくなった。

私の拙い語彙ではこのことをうまく表現できないけれど、そんな、ちょっとスピリチュアルめいた体験をしてしまったのも、「大好きでどハマりしたバンドが、好きになった時には既に動いていなくて、ずっと冷凍保存されたまま突然聞けるようになった」みたいな状況だったからだと思う。

私の音楽史の中で、そんなアーティストは彼らだけ。

憧れは、もはや存在しているだけでありがたい。

生きている、演奏を続ける、それが唯一にして最大のファンサだと思う。

 

・Perfect Summer

ここにきてようやくステージ全体を見る余裕ができた。(嘘やろ???)

あまりにもベストポジションで見られたこと、「ELLEGARDEN細美武士」として歌っている細美さんがあまりにもイキイキとして幸せそうだったこと、長年聞きたかった曲を立て続けに聴けたこと…。

いろんな感動が、どんどん視野を狭めてしまっていたらしい。いいんだか悪いんだか。

個人的ブレイクポイントになったこの曲で、ようやく4人全員の顔をじっくりと見られた。

 

高田さん。個人的な印象としてずっとボソボソっとムスっとしているイメージだったけど、ベースを構える姿はとにかく真っ直ぐで、時々客席に目を向けてはこらえきれない嬉しさをグッと堪えるように下を向いていて、ちょっと…いや、結構可愛かった。残念ながら真下から見ているのでバレバレです。感情を表に出しすぎない人の隠しきれない喜びみたいなものを感じて、こっちが勝手にニヤついてしまった。

 

ウブさん。一番「カッコいいな」と思った人かもしれない。寡黙で、でも無愛想じゃなくて、ただひたすらギターとだけ会話しようとしてる印象。ワンピースだったらこの人がゾロなんだろうなと思う。ウブさんも時々会場を見渡しては、感傷に浸るような顔をしていて、今を噛み締めよう、忘れないでいよう、という顔に見えた。この人にそう思わせる景色の一部になれていることが勝手に嬉しくて誇らしかった。

 

高橋さん。彼に限らずではあるんだけれど、ドラムの人ってとにかく印象がない。私の推し(ドラム担当)も「オレだけ動けなくてつまらない」とこぼしているのをよく聞くくらいにドラムの人って顔を見る機会がない。だから、ライブ映像とか、前方のエリアに来て初めて分かることが多いけれど、それもあってか、一番ギャップが大きい人だった。

 

細美さん。冒頭から何度も書いている通り本当に楽しそうで幸せそうで、終盤「お前らついて来れてすげえな!」と言っていたけれど、余裕でこっちのセリフだ。

何したらそんなにずっと同じ輝きで歌っていられるんだろう。

この表現を使うのを彼は嫌うかもしれないけど、器はスターそのものだ。スーパースターでビッグスター。なのにちっとも儲けたがらなくて、時々「お金を払って音楽を聞かせてもらってる」んじゃなくて「お金をもらって音楽を聞いてあげている」んじゃないかと錯覚してしまう。これは細美さんに限らずきっと4人の総意なんだろうけど。

 

・サンタクロース

え、聴けたやん……。

大本命のサンタクロース。個人的に何よりも聞きたかった(けど無理だろうなと半ば諦めていた)サンタクロース。これを人生で生で聴けたらもう死んでもいいってくらい切望していたサンタクロース。マッチングアプリで知り合った人が前日リユニオンで聞いたらしく、羨ましさのあまり初対面なのに胸ぐら掴んでしまった挙句、連絡が来なくなってしまったサンタクロース……。(思い出がいっぱいだね。)

エルレの「ガンガン突き進んだかと思ったらめちゃくちゃ弱気」みたいなところが好きだ。もうどうしようもなく好きだ。めちゃくちゃ人間だ…。と思う。こういう人間っぽさはどんなにAIが発達しても作れないと信じている。

初めて聞いた時「恋人想いな男の子の歌」だと思った。でも歳を経て、いろんな経験をして「叶わぬ相手にそれでもヤケクソになって尽くしていく歌」に変わっていった。できればずっと恋人想いでいられる人生でありたかったけど、一つの曲でこんなにも捉え方を変えられることが知れたのは、私の人生の産物だと思う。

 

最後に、このエモい空気を一瞬で壊すことを言います。

細美さんが導入で言った「お前らに千個のプレゼント持ってきました!!!!!」がまさかサンタクロースの導入だなんてつゆ知らず、季節もあって「線香」に聞こえてしまい、心の中で「盆〜〜〜〜〜!!!!」と叫んでしまったことをここにお詫び申し上げます。そんな、歌詞を引用した導入なんてオシャレなことしないでよ…。

 

・Sliding door

聞かせていただいた曲その2。

メロディー的にも歌詞的にも、あまりにも「あの頃」過ぎて絶対にどう足掻いても、裸で逆立ちしながらライブハウスの周りを一周しても、絶対に聴けないと思っていたので心底びっくりした。

私がエルレだったら絶対嫌だもん。あんな若気の至りの塊みたいな曲。

sliding door側からしたら願ってもないことだと思う。制作されたあの頃は、こんなに後になって、こんなに多くの人の前で、こんなにいい位置で演奏されるなんて想像すらしてなかったんじゃないかと。(楽曲の気持ちになって考えることができるタイプのキッズ)

でも、前後の曲にも全く負けず劣らず、むしろここで演奏されることを想定して作られたような完成度で、改めて彼らの偉大さを知る。もうこの頃から彼らはスターだったんだと思う。

 

・Salamander

「Salamanderは活休直前の割と最近の曲なので、この曲が好きな人はエルレにわか」という記事を聞き始めた頃に読んだことがある。

うるせえ。

こんなにカッコよくて盛り上がる曲に対して失礼だろ。全力で土下座してほしい。あと私も、こんな長文をここまで読んでくれている人にそろそろ土下座した方がいい。1曲ずつは流石に書きすぎだから書かないとか言ったのどこのどいつだよ。

感受性がカンストしている私も大概だが、感情がバグった肉塊たちの温床になった。

冷静に考えて2023年現在、全く古くもダサくも感じない2006年の曲、シンプルにすごい。(どう感じるかは人によるけど)、そりゃ飛びたくもなる。

それにしても、前半と人数はさして変わらないのに圧迫感が桁違いになってきた。押しの子って感じだった。(全然面白くないのでふざけるのやめてください)

 

・ジターバグ

この曲が、今日の私のテーマソングになった。

会場に来る時、ふと聞こえてきた歌詞がどうしようもなく刺さって心から抜けなくなってしまって、どうしても会場で生で聞かせてくれ…と願ってやまなかった曲。エルレはちゃんとやってくれた。ようやく彼らと心が通じ合えた気がして本当に嬉しかった。(ずっと片想いだったもんね)

遠回りするたびに見えてきたこともあって 早く着くことが全てと僕には思えなかった

間違ったことがいつか君を救うから 数えきれないほど無くしてまた拾い集めりゃいいさ

私のために生まれてきた歌詞かと思った。私はまさに今、夢に向かって「遠回り中」なのだ。なかなか結果が出せなくて、でも好きなことだから諦めたくない、ここで諦めることはできるけれど、きっとここで諦めたら好きな気持ちごと諦めてしまう気がする。

それが怖くて、前にも後ろにも進めない。

そんな、「ザ・夢追い人」みたいな状況になっている。

傍からみれば夢を追っている姿は美しいのかもしれないけれど、当事者になってみるとそんな美しいものじゃない。焦りもあるし悔しさもある。好きという気持ちだけでどうにもならない現実に打ちのめされながら、なんとか生きている。

でも、この歌詞と、直前の細美さんのMCがそんな私を肯定してくれたように感じた。

台風が2個も来ているみたいだけど、大阪も晴れ、東京もピーカン。
すごくラッキーだなと思ってたんだけど、昨日の夜かみさんに言われたんだ。「あんたは神様に守られてるんだよ」って。でも何か違えよなと思って寝る前に考えてたんだけど、今気付いた。神様に守られてるのは、俺達4人じゃなくて、お前らなんだよ。
だからこっから先は、2度と迷わずに信じた道だけ真っ直ぐ大股で、石橋を踏み抜いて進んでくれ。

妖怪エモ泣きババア、本日2度目の登場である。今日はよく会うな。

必要な時にほしい言葉をくれる存在がいる。私のことをよく知りもしないのに、どうしてこんなにタイムリーなことが言えるんだろうと思う。

細美さんだけじゃない、他のバンドマンや、私の好きなアイドルも同じことが出来る。何食べたらそんなことできるんだろう。

彼らへの恩は一生どころか七生くらいかかっても返しきれないと思うけど、まずは私が受けたその恩を、私の人生の中で私自身に返していこうと思う。この夢は絶対に諦めない。まずはそこからだ。

 

・虹

興奮し過ぎてなんの曲かわからない現象、その2が起きた。

これは曲に興奮したというよりも妖怪エモ泣きババアのせいだと思う。こんな数秒で気持ちの切り替えが出来るやつおらんて…。一回一時停止ボタン押させてくれ…。(NEWSのライブで毎年言ってるやつ)

もうすでに、今日記憶できる許容範囲をゆうに超えていて、今日のこの時間が過去になっていくのが怖かった。そんな時に流れてきた歌詞にまた救われた。

僕らはまた、今日を記憶に変えていける

文脈的に間違っているのはわかっている。これはきっと、悲しい出来事とか辛い経験とか、そういうものもいつか過去のものになっていくよ、という歌詞だ。でも、どうとでも捉えられるこの歌詞が好きだと思った。

世の中の不条理や平等を嘆くことで救いをくれるバンドも多い中、ELLEGARDENは「今ここにあるもの」を歌ってくれる。

辛いことも楽しいことも、平等に記憶になっていく。過去のものに、平等に時間が過ぎて、平等にかさぶたになっていく。

幸せすぎて死にたくなった今日のことも、悲しくて世界が終わってしまえばいいと思ったあの日のことも、ずっと先の未来では美しい過去になっているのかもしれない。平等に。

 

スターフィッシュ

ZOZOマリンのライブレポでNUMBER SHOTの話をするなよ、という感じですが(既に時遅し)あのフェスの記憶を鮮明に思い出す。

MCで細美さんはこんなことを言っていた。

パンデミックだったり、震災もそうだけど、ずっと続いていくと思っていた物語が突然途切れてしまったり、もっとこれから広がっていくと思っていた未来が突然プツッと切れてしまったりすることもあるけど、

物語は1度途切れても夢の続きはまだ再開することができると、割と俺たちは誰よりもよく知っています。

で、アンコールの一発目の歌詞が「物語の続きを見たくて」だ。世界で一番ずるい。セトリにこういう物語性を出して来られると困る。私が世界で一番好きなタイプのセトリの組み方だ。

私も、この物語の続きが見てみたいなあと思う。これから彼らはどんな世界を見せてくれるんだろう。齢50のおじさん相手にこんなことを言うのは不思議だけど、ELLEGARDENってステージに立つと14歳の新人バンドみたいにきらきら輝き出すから仕方ない。こんな、中高生みたいな歌詞がいつまでも似合ってしまうんだから仕方ない。ずっと伝説の若手バンドでいてほしい。少なくとも私の中では。

 

・瓶に入れた手紙

この曲も、エルレの世界だなあ、とおもう。

「半世紀ぶりに開く窓」とか、多分ジブリかディズニーにしか存在しない

こういう曲を聞くと、海外に滞在してレコーディングした、というのがよくわかるというか、海外にいないと無理だよな、と思う。

海外(特に英語圏)に行った時に感じた「明らかに日本では味わえない空気」を感じる。

それにしても、10年もブランクがあったのに、蓋を開けたらちゃんとそこには「あの頃のエルレ」がいて本当にびっくりした。生きながらにして冷凍保存できるのか、この人たちは。それともこの4人が集まると、どんなに歳を重ねていても「あの頃のエルレ」に戻れるんだろうか。どっちにしたってすごい。どっちにしたって、そんなの美しすぎる。

 

・Make A Wish

高橋ぃ〜〜〜〜〜!!!!!!!泣泣泣泣

ずっと、この曲の主人公は細美さんだと思っていた。曲の半分はギターソロだし、活休中も細美さんのソロステージでは聴けた曲だったから。

でも、この曲の本当の主人公はドラムの高橋さんだ。

2018年のライブ映像でそのことを思い知ることになる。

www.youtube.com

客席を煽りながらもイキイキした顔で歌う細美さん、コーラス歌唱しながら会場と目を合わせるウブさん、歌詞を口ずさみながら空気を噛み締める高田さん。

………の後ろで3人と会場全てを視界に入れる高橋さんの泣きそうな顔が、本当に、何よりも美しくて、うっかり泣いてしまったのを覚えている。

 

このバンドの復活を誰よりも待ち望んでいて、誰よりもこのライブの開催を喜んでいるのは彼なんじゃないかと本気で思ってしまった。この表現は敢えて普段使わないようにしているけれど、「尊い」ただそう感じた。

2018年とはちょっと変わって、今日の高橋さんは本当に本当に幸せそうな顔をしていた。今までこんなに幸せが伝わってくる表情を、私は数えるほどしか見て来なかったと思う。

この世の全ての幸せを集めて煮詰めてジャムにしてパンに塗って食べてる、みたいな、自分でも何が言いたいのかわからないくらい多幸感に溢れた表情をしていて、それが勝手に嬉しかった。

他でもないメンバーの一人にこんな顔をさせてしまうほど、このライブは大切なもので、ELLEGARDENの復活も活動も私たちファンのエゴじゃないことを、間違いなく周りの人間の力ではなくて本人たちの意思が動いて今日が出来上がっていることを、彼の表情が全て物語ってくれていた。

今日という日が私の人生にあって、本当によかった。

 

・Strawberry Margarita

最後の曲なのにはっきりそう言ってくれなかったせいで、うっかりふんわり聞いてしまったのをいまだに後悔している。

だってまだ全然聞き足りないんですけど。もっと聞いていたいんですけど。あと50曲はやってもらえないと困る。(冒頭3曲目でもうお腹いっぱいって言ってたの誰ですか)

これもやっぱり「あの頃のエルレの曲」で、初めて聞いたときから安心したのを覚えている。

復活が話題になって、トリビュートアルバムが出たりもして、音楽業界で容易いコンテンツになりかけたときはちょっと不安だったけれど、エルレはちゃんとエルレのままでいてくれた。

現役でやっているバンドの中には、私の好きな「らしさ」がなくなって疎遠になってしまった人たちもいるけれど、エルレは10年経ってもエルレのままでいてくれた。

むしろ、10年というブランクがあったからこそエルレのままでいられたのかもしれない。

そう思ったら、活休中好きになったことを悔やんでいた私も、タイムマシンで2008年に戻れないか一瞬本気で考えた私も、待っていた時間も無駄じゃなかったのかな、と思う。

 

・goodbye Los Angeles

アンコールの1曲目でエンドロールを流してくるエルレ、本当に最高にずるい。私と趣味が合いすぎるので一回NEWSと対バンしてほしい。(なんて対等な立場で語ってますが、私の推しこそまさにゴリゴリのエルレキッズなので、そりゃあんなライブ作れるわな、という誰目線かわからない補足をつけておきます。)

End of yestardayというアルバムのタイトルを歌詞に落とし込むセンス、それをアンコール一発目に持ってきてエンドロールと一緒に流すセンス、構成が整いすぎてもはや映画なのかと思いますね。俺たちは今伝説の中にいる、ですね。(どっかで聞いたナヲちゃんのセリフ)

 

 

・高架線

思うより貴方はずっと強いからね

この歌詞をアンコールという位置づけで歌われるとなんというか、「まだ言いたいことたくさんあるけど時間がないので一行だけ追伸書かせて」と言われているような気がしてめちゃくちゃ照れてしまった。この人たち、すごい味方でいてくれる。私たちってエルレにめちゃくちゃ愛されてる。

明日から始まるであろう3万5000通りの人生に、そっとお守りを添えてくれるような、そんな1曲。最強のバンドにこんなに愛されている私たちなら、きっとこれから先も迷わずに進んでいけるはず。

 

・Pizza Man

ペッパローニクアトロ!!!!!!!!!!!

え、全然帰す気ないじゃん大丈夫そ???さっきエンドロール流したよね?

なんかもう構成とかどうでもいいや!お守りも持たせたけど普通に俺らが帰したくないしお前らの声聞きたいから盛り上がるやつやるね!!!!!みたいなノリでどんどんくるじゃないですか……ありがとう私もまだ帰りたくないからあと50曲やろう。水と塩飴追加で。(冒頭で死ぬほどしてた感謝を2時間で忘れる愚かなキッズ)

人生で一度は叫んでみたかった「ペパローニクアトロ」が叫べて大変満足でした。人生の夢が立て続けに叶っていくZOZOマリンスタジアム

あの一瞬が楽しすぎて忘れられない。声に出して読みたい日本語とかに追加した方がいいと思う。ピザ用語なので全然日本語じゃないけど。

 

・金星

今日見に来てくれた、たくさんの...なんて言うんだろうな。

バカども?本当にありがとう。
もう何年前のことだか忘れちゃったけど、ELLEGARDENの活動休止が決まったあの日、俺は世界が全部崩れ落ちるような気がしてた。
でも今…超仲良いんだけど俺ら。こうやってみんなでステージに立ってて、学んだことが1つある。...人は変われる。
どんなクズでも、今自分のことが大っ嫌いで仕方ないやつも、自分のことを、昨日のことを振り返るだけで反吐が出るようなやつも、がんばって生き続けろ。変わろうとしろ。その手伝いは俺たちがしてやる。いつか、こんな曲歌わなくて済む日が来ると思う。

胡散臭い名言集の1ページ目に書いてありそうな言葉「人は変われる」にどうしようもなく心が揺さぶられてしまってどうしようもなかった。さっきまでペパローニがクアトロしてたとは思えない。

言葉は「何を言うか」以上に「誰が言うか」なんだと突きつけられた気持ちだった。

いろんな経験をしていろんな気持ちになった細美さんが自分から出した言葉だから、刺さって抜けなくて泣き崩れてしまった。

大好きな曲だ。とあるイベントでまだ復活していない頃にアコースティックで歌ってくれて、曲中に細美さんと目が合って、涙でぐちゃぐちゃな顔で笑った私を見て笑い返してくれた、そんな思い出の詰まった大切な曲だ。ずっと歌い続けてほしい。でも、「こんな曲歌わなくて済む日」がくればいいとも思ってしまった。人を出し抜いてうまく立ち回ってうまいこと自分だけ得をするなんて生き方、誰も出来なくなればいいと思ってしまった。

そんな世界平和を祈るみたいな途方もないことを本気で願ってしまった。

細美さんがいうなら、もしかしたらそんなことができてしまうんじゃないか、そう思えるほどのパワーがあのMCにはあった。少なくとも80億分の3万5000人にはそれが届いた。そう信じることにする。

 

 

 

ここからはライブ中・終演後に思ったこと、感じたこと、考えたこと。

出来るだけ冷凍保存して取っておきたい。本当は今日死んで、この記憶が一番新鮮なうちに死後の世界に行っておきたいけど、でも、エルレはまだ活動を続けるらしい。生きていたらまた、今日みたいな日に巡り会えるかもしれない。だったらそっちの可能性に賭けてみたい。

無関係者の責任

生きているとふと考えることがある。

私はこのままでいいんだろうか、望んだ人生になっているんだろうか、私が生きている意味はなんなんだろうか。私は時々そういうことを考えて、止まらなくなることがある。

誰の役にも立てない、誰からも愛されない、何者にもなれない。だったらもう生きている意味なんかないんじゃないかと自暴自棄になって泣いてしまう夜もある。だけど、今日彼らを前にして、そんな気持ちも全てなくなってしまった。なんというか、溶けてしまった。
自分じゃどうにもならない、かと言って友達の言葉で立ち直れるとも思えない。結局自分で解決するしかない。そんな迷宮の中で、あらゆる関係から離れている彼らの言葉だからこそ、私の人生にとって無責任な彼らにだからこそ、私の心は救われたのかもれない。

きっとなんとかなる。いい人生にできる。彼らにそう言われるとそうなる気がしてしまう。もし失敗しても、彼ら自身にはなんの影響もない。だからこそ安心して聞き入れられる。無関係者の無責任な応援が一番効く時だってある。多分、私にとってはそういう距離感が一番助かる。

 

10000人じゃなくて、1人×10000

ライブ中、細美さんと何度も目が合って、私が笑顔になると笑ってくれて、私に向かって歌ってくれた。

こういう書き方をするとアイドルのレポみたいで出来るだけバンドのレポには使いたくないけれど、でもそう書くしかない。きっと、遠すぎて実感が湧かなかっただけで、スタジアムの一番上の一番端の席の人とも目を合わせていたんだと思う。
細美さんは、「私に」語りかけてくれた。「お前ら」という複数形の主語を使いながら、私だけを励ましてくれた。

恐らく、あの会場にいた35000人が同じように感じたんじゃないかと思う。終演後、SNSを眺めていたら「あの言葉が刺さった」とか「今の自分の心境にぴったりだった」とか、そんな感想をたくさん見かけて、改めてそう実感した。
「1万人に対してではなく、1人×1万と向き合う」という言葉を私の推しはよく使う。まさにその通りの空間だった。だからきっと、この人たちの言葉は単純でストレートながら、しっかり私の心に入ってくる。そして、折れない芯になる。今日もらったこの見えない武器をしっかり抱きしめていたいと思った。

 

細美武士でいったら、ウチらまだDon't trustだよ。

今日のライブが本当に良くて、良すぎて、どうしたらあんな人間になれるんだろう…同じ人間なのにどうしてあんな言葉が紡げるんだろう…という話を友人とした。

今年で29歳。子供どころか、結婚どころか恋人すらいない。何者にもなれない、少なくとも細美さんのようなカリスマ性は持ち合わせていない、そのことに少し落ち込んだりもした。

でも、細美武士の歴史でいったら、29歳はアルバム「Don't trust」が出た年だ。

まだ、ジターバグもMake A Wishも、スターフィッシュも出ていない。

そう考えたら、まだこれから開ける扉もあるのかもしれないと思えた。

 

 

 

 

ようやく、8年越しにELLEGARDENに会えた。ワンマンライブに初めて行けた。

他のバンドやアイドルと比べると格段に少ない彼らとの時間が、大切でかけがえのないものになっている。

あと何回、貴重な彼らの時間の中にいられるのかはわからない。

もしかしたら、次の機会は「あと1回だけやる」と言っている次のZOZOマリンかもしれない。もしかしたらもう、私の最後のELLEGARDENは終わっているのかもしれない。

でも、それでも次があると信じて、すぐに次の機会を巡ってくると信じて、日々を生きていくしかない。

なんといっても私はあのELLEGARDENのファンなのだ。「もう誰にも負けない」バンドの大切なファンなのだ。

きっと大丈夫。次は、私自身の夢を叶えたその先で会いたいと思う。自分の人生を頑張って、胸を張って報告しに行きたいと思う。

だって私たちは、“最強”だから。

 

 

*1:細かいことを言うと、2800円から一度値上がりしているけれど、この際同じようなものです…安すぎる