愛以上、恋未満。

アイドルに胸張って生きてる人たちを胸張って応援するブログ

捨てる神あれば、拾う「神」あり

(2020.6.29掲載)

2020.6.23、私はジャニーズWEST神山智洋さんのオタクになった。
本当はもっとずっと前から大好きだったのだけれど、自担、という言葉は使わなかった……と思う。多分。
本当はもう既に浮気なんかではなくてもう1人の本命だったけど、頑なに自担ではないと言い張ってきた。*1
自担は1人で充分だった。私が使う「自担」という語彙は手越くんを指す言葉だと、それはずっとこれからも変わらないと信じて疑わなかった。
彼が言った「浮気すんなよ!」をご丁寧に大真面目に守ってきたのもある。それはなんというか、私自身のプライドだった。健気な女を演じたいとかではなくて、「他の男になんて落ちてやるものか!」なんて意地を張っていた、ただのオタクのエゴだった。

でも6月19日、最後の挨拶すら出来ないまま、私の大好きな自担はいなくなってしまった。
きっと何か理由があるはず!と心の5%くらいはまだ希望を持っていたけれど、残念ながら退所は彼の意思だった。
私の大好きな人は、自分の意思で、アイドルでいることを諦めてしまった。

このコロナ期間、ずっと寂しかった。いくら事務所と退所の調整をしていたとは言え、引きこもりを余儀なくされているただでさえ辛い状況で、辛いお知らせばかり届ける彼に疲れてしまった。彼が辛い時は、何かがあった時は「大丈夫だよ」と出来るだけ声を掛けてきたつもりだった。増田さんの言葉を借りるなら、私なりに彼を支えてきたつもりだった。
見返りなんて求めてなかったけど、世界中が家の中で戦ってる中で、外に出て会合を開かないといけない状況にしてしまった彼に、退所するなら退所するつもりで着々と準備してこられなかった彼に、「大丈夫だよ。私がいるよ。」なんて声を掛けられるほど人間出来ていなかった。

彼を愛して、彼に愛されて本当に幸せだった。
でもその中で、味をしめてしまった私は贅沢にも「幸せになる」という選択を自分自身でしていいことに気づいてしまった。

こちらこそ「ありがとうとごめんなさい」だよ。
どんな選択をしても着いていくって言いきれなくてごめんね。今まで沢山の幸せを本当にありがとうね。


そんな苦しく悲しい日々の中で、「彼ら」はいつでも私を笑わせようとしてくれた。
3月末のHappyLive。
少しでも家に引きこもっている人達を元気づけようと笑わせたり、励ましたり、色んな角度で「ジャニーズWEST」というグループを魅せてくれた。
もう何度見たか分からない。全員の表情があまりにもキラキラしていて、あの15分間だけは「ライブに行けない」という悲しい現実から目を背けられた。
デビュー日に配信された結成日記念動画。
リモートならではの演出があまりにも粋すぎて、コロナ禍で良かったとすら思ってしまった。
きっと密に接していられる環境だったらあんなリレー動画にはならなかったと思う。完全に別撮りをしているのに画面の中で繋がっているような動画を何度も見ているうちに、彼らと私もどこかで繋がっているような気がした。
4月から始まった「正しいロックバンドの作り方」
コロナ禍の影響で放送が開始出来なかったり、途中で止まってしまうドラマが多い中、正ロクだけは「撮了」という事実が最初に分かっていたので唯一安心して次の話を楽しみに出来た。
きっとダブトラツアーを考慮しての撮影スケジュールだったんだろうけど、タイミングがあまりにも功を奏していた。
4月末から始まった各ラジオのソロ収録。
ソロラジオを持たない彼らが1人喋りをする機会自体があまりにも貴重で、私はもしかしたらとんでもないタイミングでファンになってしまったのかもしれないと思った。
5月に配信されたウエスレーニング。
おうち時間を楽しむためにそれぞれが工夫を凝らした動画を上げてくれていたけれど、WESTさんは「全員で」「ファンを楽しませる」に特化してくれていた。
ひとしきり笑ったあとは思いっきり動いて、気づいたら鬱屈とした気持ちは汗と一緒にどこかにいってしまっていた。

公式に発表されたコンテンツだけでこんなに沢山。
充分過ぎるほどそばにいて笑わせてくれた。
まるでそれは、「彼氏と上手くいかない時に突如現れた男友達」のようで、私の凝り固まった感情がほぐれていくのを感じた。

その中でもひときわ輝いていたのが、神山智洋さんだった。
グループ全体がパッと映った時にはあまり目立たない、代表してコメントするような人でもないけれど、彼が歌う度に、踊る度に、話す度に、笑う度に、どうしようもなく目を惹き付けられていたのは、もう誤魔化しようのない事実だった。
彼の魅力を語る言葉を、私はまだ充分に持ち合わせてはいないけど、WESTさんを見ている時間が、WESTの中で笑っている神山さんを見ている時間が私の「幸せ」だった。私は、新しい「幸せ」を見つけてしまった。


よくあるドラマならひとしきり一緒に過ごしたあとで「アイツなんかより俺の方が幸せに出来るのに!」みたいな展開が待っていたりするんだけど、WESTさんはそういうことは言わないんだろうな、と思う。「どんな選択をしたってええけど、俺らは全力で楽しませるで!」なんて言いそうな気がする。
なんだか、「この人なら、この人たちなら心の支えにしてもいいのかな」って、そんな事ばかり思ってしまった。
「自担」という言葉で向き合うのだとしたら、手越くんとの関係をハッキリさせないと、今はもう全力で好きだと言えるWESTさんに失礼な気がした。彼らを逃げ場所にしたくはなかった。彼らを「居場所」にしたかった。
そうして6/23はやってきた。彼の口から彼の言葉を聞いて、ハッキリとした意地で、私は手越くんから離れた。


そんなこんなで私は神山さんに拾ってもらった。
不安と絶望にまみれるはずだった私の未来を明るく照らしてもらった。
「推しは推せる時に推せ」「いつかは別れる時がやってくる」そんな言葉を身をもって知ってしまった私がこんなにも早く新しい「自担」を心に決めていいものか、まだ迷いはあるけれど、それでも私は神山さんを自担と呼びたい。

 


いつか別れが来るとしても、今日からその日までは間違いなく幸せだと言える、そんな自信がある。

*1:自分のプライドとは別に、あまりにも魅力的だったので沼に落ちていくのが怖かったというのもめちゃめちゃある。26歳で見つける自担、沼落ちのスピードがこれまでの比じゃない。