全曲の感想はこちらで。めちゃくちゃ長いです。
ようやく歌詞を飲み込めるようになってきた。
NEWS、11枚目のアルバム「STORY」に収録されたメンバー作詞作曲の「クローバー」。
題名を聞いた時から動揺はしてたけど、
やっぱり名曲だった。
記事にある通り、私は「クローバー」と聞くとどうしても脱退当初の最高にポジティブで空元気な「クローバー」を思い浮かべてしまう。
あのころのクローバーはファンのこじつけでしかなかったけど、今こうして曲名になったクローバーは本物の四つ葉のクローバーだと思う。
9年かけてNEWSはやっと幸福の象徴、四つ葉のクローバーになったと思った。
何言ってるか分からないと思うので本題行きます。
各パートにはベースである「希望~Yell~」の他に各1曲ずつNEWSの曲がミキシングされている。
その曲との親和性について合わせて考えていったら面白かったのでそちらも一緒に。
「希望」の増田貴久 × share
増田さんの作る歌詞はどこか世界観がふわふわしていて、初見ではびっくりしてしまうことが多い。BGMにミキシングされているshareの歌詞が最初の衝撃だった。
「抱きしめたいな」って言っていつも心の中までされちゃって
ステージをみんなで作ってありがとういつの日も感謝して
ここにきて一緒に歌おう
あなたの声をまた聴かせてね
「されちゃって」がなにを指してるのか分からずに頭を捻った記憶がある。(今でも本当の意味は良く分かっていない)
でも、とにかく素直で分かりやすい、温かい歌詞だな、と思った。
彼にとって、ステージは「みんなで作る」もの。そして「お客さんの声を聴く」ところ。
結成5周年の時点でそういう価値観を表に出してくれている人だった。
そんな彼が、
誰かを傷つけるヤツからただお前を守れる言葉が
いつでもいつもここに来て、俺に甘えていいんだよって伝えてあげたいだけなんだ
なんて言ってくれるの、とっても頼りになると思った。
自分たちがファンの心の拠り所になってると自覚しているアイドル、信頼感しかない。
ファンを守る自覚があるから、「応援してくれる人を守りたい」って思いで活動してくれているアイドルだから、NEWSの応援歌はあんなに心に響くのか。と妙に納得してしまった。
でも、そんな歌詞の反面、
優しい君が探してた場所が 僕らの愛したココだといいが
逃げる場所にしたっていい 辛くなるなら、聞かなくていい
なんて、もうこの歌詞だけで泣けてしまう。
わたしは散々ロックスターに「辛いときはここ(ライブハウス)に来い!いつでも背中を押してやる!俺らを頼れ!!」って言われてきた人間だから、この歌詞に面食らってしまった。
確かに本当に辛いとき、音楽さえ聴けなくなる時はある。
それでも「元気を出さなきゃ!」と無理やり音楽を聴いてかえって復活できない自分に嫌気が差したこともある。
活字が苦手な増田さんも、ファンの「現実のSTORY」を沢山読んでくれたんだと思った。
応援歌の多いNEWSだから、かえってその応援歌がプレッシャーになってしまうこともある。そんな時は思い切って距離を置いていいよ。なんて誰からも言われたことがない。
つくづく、「じゃない人」側に立つことが出来る人だと思った。
本当の希望はただの光じゃなくて時に「闇に寄り添うことができる優しさ」でもあるんだろうか。私はこれから何年生きたらこんな言葉が言えるようになるんだろうか。
「誠実」の加藤シゲアキ × SmileMaker
「誠実」パートの加藤さん。誠実とはなにか。深く考える加藤さんが出した答えは「寄り添う」こと。
シゲ部にくるメールにひとつ残らず目を通している加藤さん自体がもう誠実の塊ではあると思うんだけど…。
むやみに背中を押すのではなく「寄り添う」という選択肢が出てきたのはきっと本当に色んな人のメッセージを読んだから。ただ背中を押すのではかえって逆効果になってしまうと感じるようなお便りが、きっと中にはあったのでしょう。
BGMは「SmileMaker」。
私が大好きな曲で、辛いとき何度も救われてきた曲でもある。
笑え苦しい時こそ 辛い数だけ笑顔見せてよ
自分のためじゃなくても誰かのために笑おう
多少強引ではあるのものの、あまりにもストレートな言葉の数々に何度も背中を押されたことを今でも覚えている。
ちなみにこの曲の加藤さんパートがこちら
弱くて当たり前 本当はビビってる誰だって
ただどんな時も意地を張って守った絆が君の支え
いつも君の味方 その確かな足で向かえ明日
暗い顔は見たくないだから 顔上げで笑えYour Life
とにかく1曲通して「笑え」を連呼しております。笑
SmikeMakerはメンバー作詞ではないけれど、曲中でひたすら「笑え」を連呼していた加藤さんは、クローバー内でこんなことを言います
希望を手放さないで 絶望に手を出さないで
僕らの手を握っていて そのぬくもりを忘れないで
約束しよう
「笑え」よりも遥かに要求が増えている…笑
という冗談はさておき、この部分、大好きでずっと胸にとどめたくなるような言葉だなあとしみじみ思ってる。こんなに優しく温かい要求をしてくれるとは思わなくて。
さっきも書いた通り「俺らについてこい!悲しい時はライブに来い!」と言われ慣れているので、「僕らの手を握っていて」なんて言われるとどうしていいか分からない。現にほとんど握ったことないですし…。
でも、そういうことじゃないんだろうな。
彼らは確かに音楽を通して「手を握って」くれている。
まさかコロナウイルスによる公演中止の連続の中でこんなことを思うなんて思いもしなかったけど、「ライブに来て元気をもらって下さい!」を誰も実現できない今、「希望を手放さないで」「僕らの手を握っていて」は何よりも「寄り添って」くれる言葉だと感じます。
いつか会えるその日まで、きっと、「そのぬくもりを忘れないで」います。
早く会いたいね。
「愛情」の小山慶一郎 × SnowExpress
このパートが「愛情」なのはすぐに分かった。
でもなんか、小山さんの綴る愛は人肌の体温を感じる。
近くにあるよ いるよ 気づいてよ
そんな声が聞こえない? 耳すまし感じてもらいたい
スピリチュアルさえ感じるこの歌詞も、なんだか、感覚を研ぎ澄ませれば小山さんを、NEWSを本当に近くに感じる気がする。
□♡▽〇の愛、みんなと合わせて 1つの大きな愛になる
これが僕の居場所、みんなの居場所だから 未来だってそうさ
みんなの優しさに触れて 感じる温もりがここにある
子供のころの自分に これが愛って 伝えたいんだ
私がNEWS担のことを大好きな理由の一つに、「感性」がある。一つの音、一つの歌詞、一つの仕草や行動に愛を感じることが出来る。変な憶測なんかじゃなくて、「愛されてる」を実感できる人が多い気がする。
そんな、優しさを引き寄せる小山さんが「これが愛って伝えたい」と思ってしまうほどのものを私たちはステージで作っているらしい。
本当にそういう話を聞くたびに不思議な気持ちになってしまう。
私はNEWSが好きだから行っているだけなのに。「愛してほしい」なんて思って行っているわけじゃないのに。でも「愛してほしい」って見返りを求めていない時点でそれは愛なのかもしれないなあ。
BGMでミキシングされているSNOW EXPRESSも愛を歌った曲。
でも、どちらかというと「盲目的で情熱的な愛」を強く感じる曲で、小山さんの作る世界観とはちょっと違うように感じる。
スノエクの二人がお互いしか見えていない状態なら、クローバーの小山さんパートは聞き手である私たちが小山さんに包まれてる感じ…伝わるかな…
だってNEWSのリーダーに「これがみんなの居場所」なんて言われるの、最高にずるい。ふらふらしてすぐに居場所をなくしてしまう私だから、「ここが居場所だよ」って言ってくれるのが、どんなに心強いことか。
加藤さんの向き合い方が「寄り添うこと」なら、小山さんの向き合い方は「居場所を作ること」かな。それを信じてもらうこと、ともいえるかもしれない。
「幸運」の手越祐也 × さくらガール
ミキシングしている曲がメンバーの選曲なのか、どの程度までメンバーが制作に絡んでいるのかは分からないけど、もし「さくらガール」を好んで彼が選曲したなら、こんなにしんどいことはない。
手越祐也にとってのさくらガールは設定された男女の曲であり、抜けていったメンバーに歌った曲であり、亡くなったお父様が大好きだった曲でもあるから、私からしたら彼の分身みたいな曲。
あの日僕ら偶然出会い まぶしい毎日が始まり
ひとり僕じゃ全然できない事ばかりだったけど
意識して聞くと、 さくらガールの「突然の出会い教室で2人なんてことないセリフばかり」となんとなく重なる部分がある気がする。
さくらガールは「散りゆくから綺麗なんだってさそんなこと知らない僕に何が出来たっていうのさ」と続くわけなんだけど。
この「全然納得できないよ」って歌い方が本当に好き。
分かるよ…私も美しい別れなんてフィクションだけでいいと思っているので、切なそうにこの歌詞をなぞる手越さんが切なくて仕方がない。
ずっと同じ景色見てきたね 君がいるから幸せ
幾千の悲しみや別れ乗り越えて 永遠に君に幸あれ
私自身がステージに立つことを夢見ていた時期もあったし、家族に舞台関連の仕事をしている人がいるので「ステージと客席には大きな隔たりがある」というのを呪いのように頭に刻み込んでいる。
どんなに小さなライブハウスでも、なんなら駅前の大道芸であっても、「演者」と「客」は圧倒的に違う人だ。両者が見ている景色は「全く違う景色」であってそれが一致することはない。
だから「同じ景色見てきた」に最初は拒否反応すらあった。あんなに光を浴びて輝いている人達と何万人といる客席の私たちが見ている景色が同じなんて信じられなかった。
でも、思い返して気づいたんだよな。
「ペンライト点滅させて!」と言われたあの時、
「うちわでウェーブしよう!」と言われたあの時、
自発的に合唱が始まったあの時、
ステージは私たち客席の方だった。
私たちは「演者」であり、その景色を目撃する「客」でもあった。
私たちは確かに同じ景色を見ていた。
こんな風に改まって言われないと気づけなかったなあ。
でも、「ステージの人間」から言われないと恐れ多くて「同じ景色」なんて思えなかっただろうなあ、とも思う。
ずっと「幸運」パートが誰なのか分からなかった。どれも「幸運」と取れない気がしたから。
自担パートでした。
手越くんにとって「君がいること」が幸せらしい。こんな私が「ファンでいること」が彼の幸せ、らしい。
そんな当たり前でありきたりのことを「幸福」として表現する17年目のアイドルがいるなんて、いまだに現実味がない。
でも、信じられる。彼の言葉をリップサービスなんかじゃなく、信用できる。
それくらい、真っ直ぐ誠実に「素直」に私たちに気持ちを届けてくれる人だから。
わたし、手越くんのファンでいられて最高に幸せだなあ。
4人のこれまでの作詞・作曲はどちらかというと「ファンのみんなへ」向けてのメッセージだった。
今回は「ファンのあなたへ」向けたメッセージに感じる。どう頑張っても一般化できない私たち「個人」に向けて、語り掛けてくれるような歌詞。どうしてこんな歌詞が書けたのか。きっと、それは私たちが送った「現実のSTORY」が大きく関係しているのだと思う。送らなかった人も無関係じゃない。そこは誤解しないでほしい。
大事なのは、日々どんな気持ちで私たちがNEWSと向き合っているか。それを彼らが知る機会があったということ。
毎週のようにライブハウスで握手会をしている地下アイドルとは話が違う。
彼らはメジャーデビュー17年目の日本を代表する大ベテランアイドル。
ファンの個人の声なんて知りようがない。
そんな環境にいるにも関わらず、変わらずファンを大切にして、なおかつ「個人個人と向き合おう」としてくれたことには本当に頭が上がらない。
私たちはどこまで彼らの愛に甘えればいいのだろう。
それでもきっと彼らは愛することを辞めないし、愛されることをやめないだろう。
他でもないメンバー本人がそう思ってくれているのなら仕方ない。
とことん愛されようじゃないの。
きっと外野からみたらこんな愛の形は、いびつで盲目で茶番にすら見えるかもしれないけど、それでいい。そのままの私たちでいよう。そうやって私たちは愛されあって生きていくんだと思うから。