愛以上、恋未満。

アイドルに胸張って生きてる人たちを胸張って応援するブログ

ままならない私と彼らの78日

お題「NEWS LIVE TOUR 2019 「WORLDISTA」 仮想空間体験ログ」

 

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お題お借りします!

参戦当初は曲ごとに感想をまとめていたのですが、だんだんまとまりがなくなってきて結局なにが言いたいのか分からなくなってきたので先に全体のまとめを記事にしたいと思います。

 

N.E.W.Sプロジェクト本編には初参戦ということで、アルバム発売が決定したときからコンセプトについて考えたり、曲について考えたり、コンサートに発展させたり、と本当に楽しませてもらった。

たった10曲ちょっとのアルバムでこんなにもワクワクしてしまえるなんて、音楽の可能性はすごい。そして、音楽の可能性を追求しているチームNEWSは偉大だ。とつくづく感じた。

今回のテーマは、仮想空間。

バーチャルゲーム「WORLDISTA」を舞台に、1枚のアルバムと1本のコンサートツアーが組まれた。

ツアーが始まった当初、私はある本を読んでいた。

 

「ままならないから私とあなた/朝井リョウ

大好きなブロガーさんのオススメ書より。

penguinkawaii.hatenablog.com

 

この記事を書き進めていく上で、内容について話さないことは避けられないので読む予定のある人はぜひ先に読んでほしい。

 

以下、私なりのあらすじ。

主人公・雪子は偶然の出会いやその場の感情、リアルな経験を大切にしている。一方でその友人・薫は合理主義で機械的。二人には応援しているバンド「OVER」がいる。

OVERはツアーで新技術を積極的に取り入れることで有名で、二人が一緒に見に行ったツアーでは最新技術が取り入れられ、「本人と見せかけたCG映像がオープニングで登場し、本人は反対側のステージから登場する」「観客のデータを元に作られたCGアバタ―がステージ上に登場する」などの演出があった。

時を経て、薫は雪子の演奏データを元に雪子の演奏の癖をAIに覚えさせて演奏する技術を発明するが雪子は反発。二人はどんどんすれ違っていく…。

 

この先にももう少し続きがありますが、今回話したいことはこのあたり。

 

(ちなみに「レンタル世界」という短編も収録されていて、小太郎ちゃんを彷彿とさせるので拗らせてる人は読んでみてください。グッとフレンズもこういう運営の仕方してたら上手くいってたのかな…とか考えて非常に病みます。)

 

今回のテーマが「仮想空間」と発表されて、斬新だなと思った反面、ライブツアーである必要はあるのかな、と思ってしまった。

だってOVERのようにステージ上にCG映像を流すだけでも、コンセプトを再現するという意味では十分だと思う。

それは「仮想」であり、「現実」ではないわけだし。

声だって、CD音源を流していれば十分。「仮想」の空間なわけだから本人が歌っている必要はない。

そう考えて、少しさみしいな、と思った。

 

でも、やっぱり彼らはそんな私の心配を吹っ飛ばすステージを作ってくれていた。

今回、映像でいいはずの部分まで精巧につくられたホンモノだったのが印象的だった。

WOLRLDISTAや世界の水のカーテン、DEAD ENDの海賊船、I・ZA・NA・I・ZU・KIの水の演出、さくらガールの桜の木、サンタのいないクリスマスのクリスマスツリーと紙ふぶき、FIGHTERS.COMのドラゴン…今すぐ思い出せるものだけでこんなに沢山ある。

全部、映像で表現出来てしまうものなのに、あえて今回「ホンモノ」を使った。初めて見た瞬間は「予算…チケット、8000円で足りてる……??」しか感じられなかったけど、(いまでも赤字じゃないかは心配。会場にお布施の箱置いておいてほしい…)

今になって何十回、何百回と聞いたインターを思い出す。「従来のVRゴーグルは映像を見て楽しむことはできても、実際、本当にそこにいる感覚を味わうことはできませんでした。」

そうだった。ここは新商品「WORLDISTA」の発表会…。私たちはちゃんと「本当にそこにいる感覚」を味わっている。

それはやっぱりCG映像がどんなに進化しても実現できることじゃない。だって実際の私たちは「本当にそこにいる」この現実を生きているから。

景色や世界観と共に変わっていく衣装も同じ。

プロジェクションマッピングという技術を駆使してしまえば最初から最後まで白いTシャツでも色んな色の衣装を着ることが出来る。衣装替えの時間なんてまどろっこしいものもいらない。きっと手越くんも最後までMCの場にいられたかもしれない(そこに関しては本当になんとかしてほしいけど)

でも、彼らが「実際に着ている」ことに意味がある。

メンバーが一人一人の個性に合ったデザインで作った衣装を、時間管理を工夫しつつ実際に着る。だからこそ私たちは「そこにいること」を実感できる。

声に関しても当然そうだ。

そもそもCD音源通りに歌うという概念は現在の彼らにはあまりない。

 フェイク、シャウト、ハモ、アレンジ…ライブならではの、もっと言えばそのステージ限りのアドリブがあるから、帰り道の私たちはCD音源の物足りなさに悩まされる。もちろんCDに手を抜いているということは一切ないのだけれど、ライブの方が音源より後である以上、完成度が変わってきてしまうのは必然なんだと思う。音源より明らかに音も歌詞も彼ら自身のものになっている。彼らから出たものではないのに。アイドルはつくづくすごい職業だと思う。 

とは言え、ここまでは映像化してしまったらあまり大差のないことで、いじわるな言い方をすると別に参戦しなくても映像を見れば間に合ってしまう話だ。

私たちがそこにいなければいけない理由は、ない。

でも、実はちゃんと私たちが「実際にそこにいないといけない理由」がある。それが、NEWS名物ファンの合唱。

十分なC&Rのあとに歌われた「U R not alone」は、図々しいけれど私たちファンがいないと完成しない曲だ。

いや、NEWSサイドがそういう曲にしてくれている。ファンパートを歌い慣れてしまった私たちにモニターに歌詞表示をするというサービスはもはや用意されていなかった。

最後に歌われたLove Storyも同じく。この曲に関しては私たちファンの声が音源化までされてしまった。

 

私たちは、ペンライトとうちわと、なによりも『声』を使ってその場にいる彼らを直接応援することができる。うちわもペンライトもお金さえあれば用意できる。でも「声」はその人が生まれ持ったもの。その人でないと彼らに届かない。それを嬉しいと思って受け取ってくれるのがNEWSだ。

私たちがここにいないといけない理由。それは他の誰でもない自分の声を彼らに届けるため。

 

前述した「ままならないから私とあなた」では薫がこんなニュアンスの事を言っている。

「わざわざライブ会場まで足を運ぶってすごく非効率。家にいても会場にいるみたいにライブを楽しめるようになればいいのに」

私はそうは思わない。どんなに技術が進歩してもどんなに臨場感のあるライブが自宅で見られたとしても、やっぱり私は会場に足を運びたいと思ってしまう。

「演出」「衣装」「歌声」

どれをとっても「本当にそこにいること」は「本当にそこにいるような感覚」である映像に勝る。2時間半8000円という一見非効率なコストをかけてでも、何度でも体験したいと思ってしまうし、何百万何千万のお金をかけてもこのステージが見れなくなってしまうことに寂しさを感じる。

 

寂しい気持ちに耐えながらツアーのグッズを整理していると何度も目にしたこの言葉がふと視界に入った。

「想像することがみちしるべ」

そうだ。NEVERLANDが永遠に続いていくように、EPCOTIAがENDINGしないように、WORLDISTAも、想像し続ける限りいつでも「そこにある」。そんなことを発売当初から示唆してくれていたのかもしれない。

次はどんな場所に連れて行ってくれるんだろう。

次はどんな世界を旅しよう。

想像することでNEWSと私たちファンの世界は続いていく。